「うちの業界は、行儀がよろしくない連中も多くて、
良い社風をつくるのに、苦労してきたんですよ。」
「社風」という、抽象的で扱いにくいテーマですが、
社員たちに多大なる影響を与える、ということを肌で感じ、
正面から向き合ってきた、社長ならではのご苦労です。
「こうあってほしい」という経営者の願いが、
必ずしも社内に浸透しない時、どこに原因があるのでしょうか?
1)理念や価値観は、「こうあってほしい」だけでは足りない
多くの会社において、経営者が大切にしている理念や価値観、
例えば「挑戦」「協力」「誠実」といった、
前向きな「望ましい姿」は、数多く語られています。
一方で、「こうあってはならない」といった、
避けるべき考え方や行動に、具体的に言及している、
そんな会社は、意外と少ないようです。
前向きな言葉は重要ですが、
それだけでは「キレイな言葉」で終わってしまい、
社員の行動につながらない、そんな風景も多く見られます。
2)人が動きやすいのは、あるべき姿よりも、許されないコト
せっかくの美しい経営理念があっても、
実際には、職場で許されている行動こそが、
社員にとって従うべき、本当の基準になります。
素行の悪さ、他責、協調性を欠く行動などを放置すると、
周囲は「結局ここまでは許される」と学習します。
一人の問題行動よりも、
それを黙認しているように見える会社の姿勢の方が、
社風に与える影響は大きいものです。
人は、理想を目指すための行動も大事だが、
後ろ指を指されないための行動の方に、
真剣に取り組んでしまう性質もあります。
理念とセットで、何をやったら許されないのか、
それを具体的に示してあげることが、とても重要で効果的です。
3)良い社風をつくって守るには、誰でも分かる明確な線を引く
2-6-2の法則、ではありませんが、
上位2割の社員は、「前向きな理念」で動きやすい人たちです。
しかし、残りの6割・2割はどうでしょうか?
「自分が悪いと思われたくない」「文句を言われたくない」
そういったことが、行動原理になっている社員も多いものです。
だから「望ましい行動」だけでなく、「許さない行動」も言語化する。
注意・指導・評価・配置・処遇まで、一貫して対応する。
それでも改善しない場合は、良い社員と社風を守るために、
経営者として毅然とした判断や対応にも踏み込む。
この姿勢が、明確に社員にも伝わらないと、
せっかくの理念や価値観も、絵に描いた餅に終わってしまいます。
経営者の理念や価値観だけでなく、
「許さない」具体的な行動まで、社員に明示できていますか?





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