ユニクロの柳井正会長は、理念を社員に徹底させる名人です。
ほとんどの社員は、トップの価値観を理解し、
それに沿った行動を取ろうとする、卓越した組織力を誇っています。
一方で、経営者が理念や価値観を何度となく語っても、
一向に社員が変わらない、そんな会社も数多くあります。
私もユニクロで、トップの理念浸透を推進してましたが、
それは単なるコミュニケーションではなく、
徹底した仕組みづくりでした。
1)理念も方針も、日常とかみ合わなければ、シラケるだけ
経営理念は重要です。
しかし、どんなに立派な理念を掲げても、
社員の日常を取り巻く環境で、
理念に合わないことが散見されると、
社員は理念ではなく、現実を信用します。
「また社長がキレイゴトを言ってる」
「結局、成果さえ出せば、昇格させている」
理念は言うだけでは意味がありません。
組織の意思決定、評価や処遇、マネジメントといった、
組織の仕組みが経営者の理念を体現していないと、
理念は絵に描いた餅に終わります。
2)社員の行動を決めるのは、理屈よりも職場の空気である
「人間は、理屈よりも空気で動く」
社員は、トップの言葉や、会社の方針説明文よりも、
「自分がいる職場では、何が許されて、何が評価されるのか」
を、日常生活の空気から学習します。
責任転嫁が見逃される職場では、責任感は育たず、
挑戦が冷ややかに笑われる職場では、主体性は消えます。
人は、理屈では理解しても、結局のところ、
自分の身近な世界での、安心・緊張・信頼・諦めといった、
職場の空気に沿って、行動を選びます。
3)職場の空気=組織風土は、仕組みでつくられる
職場の空気とは、自然に発生するものではなく、
役割・権限・会議・評価・称賛といった、
会社の仕組みの設計によって、形づくられます。
社長や管理者が、
何を奨励し、何を見逃し、何を褒め、何をやり直させるかが、
その会社の空気を決めていきます。
この空気こそが、「組織の文化/風土」です。
組織の文化/風土として、トップの理念を浸透させ、
職場レベルでも、経営者が望む「良い空気」をつくるには、
「望ましい行動を、社員が取りやすい仕組み」
を整える必要があります。
決して、経営者が口を酸っぱくして言い続けること、
が解決策にはなりません。
会社の文化/風土をコントロールするのは、
トップがつくる、組織人事の仕組みに他なりません。



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