社員の言動は、社長の鏡

「遅い」「受け身」「話を聞いてない」「顧客への態度が悪い」等々——
社長から見て、気になる社員の言動には、枚挙にいとまがありません。

「あいつは何で・・・」「うちの社員は・・・」ともなりがちですが、
そもそ、そういった言動は、なぜ発生・蔓延してしまうのでしょうか?

 

言ってることが実行されない・・・

たとえば、社長がいつも「速さが最優先だ」と言っているのに、
社内での承認や意思決定がタイムリーになされていない。
結果、「速くやる」ことは、社員にとって正解にはなりません。

「挑戦しよう」と謳いつつも、失敗しないために二重三重の努力を強いる、
そして何か失敗があると、「罰」が待っている。
そんな環境では、社員にとっては「挑戦しない」が正解になります。

「顧客が第一」と言いながら、社内の都合で顧客対応を後回しにしたり、
顧客の悪口を言うことが、職場の風土として常態化している。
それでは、「顧客のために」という行動は発生しません。

 

「気に食わない振る舞い」は、組織設計の結果である

社員の行動は、多くの場合、もともとの個人の資質ではなく
会社による組織設計がもたらしています

経営者の理念にはじまり、会社の方針、組織の構造、組織の運営ルール、
会議体、コミュニケーション、上司のふるまい、評価・報酬、等々、
といった、多岐にわたる、一連の仕組みにおける一貫性。

ここにズレがあるほど、社員は社長にとって「望ましくない行動」を学習します。

  • 期待値の言語化不足から、社員が「推測」で動いてしまう
  • 「何でも社長判断」の常態化で、「社長の顔色最適化」が蔓延する
  • お題目が形骸化し、常に実態維持が優先されてしまう  等々

 

会社としてやるべきことは?

お手軽な解決策は、往々にして誤った処方箋となります。
叱責や根性論、パッチワークの研修、ルールの急肥大化、等々。

基本設計が体系化されない限り、個別対応では、社員の行動は元に戻ってしまいます。

  • 経営としての期待値を言語化し、繰り返し伝え続ける
  • 意思決定の役割とプロセス、会議体を明示し、組織に訓練を積ませる
  • 方針×評価×処遇を一致させ、正直者がバカを見ないように徹底する
  • ミドル層やベテランのロールモデル化に注力し、経営者との一枚岩感を築く
  • 称賛の場を意図的に構築し、ロールモデルの拡大再生産を加速させる  等々

 

会社として持つべき、組織運営の仕組みを構築することで、
社員の言動は、経営者の意図に基づいてしっかりとコントロールされ、
組織は経営者にとっても、信頼できる、強くたくましい存在になっていきます。

そうなった時には、経営者としても、
「社員の言動は、社長の鏡」
だと、誇り高く宣言できることでしょう。

 

あなたの会社の社員の言動は、会社の仕組みでコントロールできていますか?

 

文責:蛯原 淳(えびはら じゅん)

 

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