物わかりのいい上司が、部下を不幸にする

「社員の自主性に任せている」~ よく聞かれるポジティブな言葉です。
しかし、それが本当にうまく機能しているケースは、意外と稀ではないでしょうか?

 

本当に自主性に任せられるのか?

そもそも、一部のベテランや自走できる稀な人材を除いて、
9割方の社員は、何をどうすればいいのか分からずに、上司の指示を待っています。
おそらく、それが日本人の一般的な姿でしょう。

何を期待され、どの水準で求められているのか、よく分からないままに
「自主性に任せている」ということのリスクは、思いのほか大きいものです。

特にリーダーとしての経験が浅いと、つい自分の頭と他人の頭は同じだ、
錯覚したり混同して、大失敗してしまいます。

実際には、一人ひとりの頭は違うし、見ている風景も、仕事に対する志も違うので、
単純に任せてうまくいくことは、ある意味、奇跡にも近いところがあります。

 

あるべき基準を躊躇なく示す

まず必要なことは、自分の仕事に対する一番厳しい基準を示すことです。

これは、相手ができるかできないかに関わらず、行う必要があります。
これが、上司としての権利であり、リーダーとしての義務でもあります。

リーダーとして、成果の定義、判断基準、完成形のイメージをはっきりと示すこと、
これがないと、頭の中身が違う他人は、何も理解できません。

また、相手を見て「この程度でいいだろう」というリーダーは、物分かりはいいけど、
部下は全く成長しないので、結果的に、部下にとっても不幸なことになります。
(会社が成長しないと、給料を上げることもできません)

なぜなら、会社が目指すべき方向についていけない、という状態は、
本人にとっても、貢献感、組織への帰属意識が得られにくくなってしまい、
より受け身で保身に走る、悪い意味でのマイペース人材になってしまうからです。

 

達成水準と変化に目を向け、相手を認める

リーダーとしては、
「要求している基準はこれです」「あなたは今これくらいしかできていません」
といったことを、はっきりと伝えなければ、社員は何も成長しません。

ただし、10の要求をして、5しかできていない人が、次は6できるようになったら、
これは大いに認めて、ともに喜び、ほめるべきです。

絶対的な達成基準は重要ですが、相手の資質も踏まえた対話を通じて、
本人が正しい方向に努力をする習慣がつくこと、
そして少しずつでも成長の足跡が見られることは、
周囲の人たちや組織にとっても、よい影響力を発揮します。

そしてリーダー自身が、一番厳しい基準に合わせて仕事をしていることで、
社員は信頼し、努力し、成果を出すようになってきます。

 

昨今、人材の多様性が増す中、さまざまな社員のキャラクターがつかめずに、
取り扱い方に迷い、「物分かりのいい上司」に逃げてしまう
そんな傾向も目立ってきているようです。

あなたの会社には、「物分かりのいい上司」が増えていませんか?

 

文責:蛯原 淳(えびはら じゅん)

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