採用において、会社は唯一最大の「商品」である

 

「一体どうすれば、人が採用できるんですかね?もう限界ですよ。。」

経営者の集まりでも、この嘆きはもはや定番トークになりつつあります。

「うちの魅力がなかなか伝わらずに、辞退されてしまう」
「どうやったら、いい人を見極められるのだろう」
「もっと効果的な採用チャネルを開拓したい」

大手企業の採用担当でも、同じ悩みに苦しんでおり、
日本全国どこでもそうか、とあきらめの心境になりそうです。

 

一方で活気づいているのは、採用関係ビジネスの業界です。

「もっと求人広告に投資しないと、効果が出ませんよ」
「ダイレクトリクルーティングを強化すべきです」
「エージェントフィーを上げないと、他社に取られますよ」
「最新の採用アセスメント手法を、御社でも導入しましょう!」

本当に、これらが問題の根源でしょうか?

 

採用とは、自分の会社を「商品」として、候補者に「売る」というビジネスです。
いくら「売り方」をこねくり回しても、「商品」が悪ければ、売れません。

日常のビジネスでは、当たり前すぎるシンプルな原理原則が、
なぜか採用の話になると「会社=商品」という大原則から脱線して、
「販売促進」の話ばかりになってしまいます。

なぜでしょうか?

 

原因はシンプルに、2点に集約されます。

1)採用担当者が、採用以外の領域への見識が浅く「販売促進」しかできない。
2)採用業界が、ビジネスとして簡単な「販売促進」のサービスに誘導している。

通常のビジネスであれば、商品が売れなかったら、
競合との比較、顧客の声などをもとに、営業から商品企画・開発・生産といった、
社内の関係部署に働きかけて、「商品力の向上」のサイクルを回します。

採用だと「商品開発」=「魅力的な働く場を構築すること」となります。
候補者が一般的に重視することの上位常連は、仕事のやりがい、処遇、
そして「魅力的な社風=組織風土」です。

 

しかし「組織風土」の改革には、組織人事の広範で深い経験と洞察が求められ、
採用担当が手を出せずに放置し、簡単にやれることで汗をかいて終わりがちです。
(売れない商品を売ることのつらさは、いうまでもありません)

よしんば「販売促進」で、どうにか頑張って売れても、
満足度が低ければ、結局、その「商品」は手放されてしまいます。

採用しても、辞めてしまう、ということです。

 

経営者としては、自社の商品・サービスを顧客に売ると同時に、
自社の「働く場」も「魅力的な商品」に仕立て上げて、候補者に売る、
その両立によって、将来への成長につなげていきたいものです。

あなたの会社は、候補者に売れる、魅力的な商品になっていますか?

 

文責:蛯原 淳(えびはら じゅん)

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